2014年9月18日木曜日

5分でわかるトルコ投資 その7

その7: トルコに進出している日本企業

トルコは2014年に入っても順調に成長を維持し、日本企業の投資件数は引き続き増加傾向にあります。日本企業向けのM&Aの進め方や実務上の留意点を解説するセミナー、また、合弁会社となる場合も踏まえて買収後の現地法人の組織運営を成功させるための有料セミナーなども盛んに開催されています。

以下にある研究会の主催によるトルコ進出セミナーのトピックを紹介しておきます。トルコ法に関するトルコ語以外の文献は依然少なくトルコ進出を目指す日本企業にとってはこういったセミナーは大変有効と言えます。ISPATも法律事務所などとの連携で同種のセミナーを適宜無料開催しています。ご利用をおすすめします。当ウエブサイトでも紹介していますが、ISPAT副総裁の来日を機にこの9月24日14:00-17:00、東商ホールで「トルコ投資セミナー」が開催されます。http://www.turkey-japan.com/business/seminar_info_09242014.html

<ある投資セミナーのトピック例>
(1)トルコにおける企業買収・合弁の実務
・トルコにおけるM&A総論と買収手法の選択
・トルコにおけるM&Aの進め方と実務上の留意点
・合弁会社となる場合も踏まえた買収後の運営のキーポイント
・日本からの出向者と現地マネジメントによる
 ガバナンス体制の留意点

(2)PMIの労務政策に必要なトルコ労働法の知識と実務
・外国人労働者に関する労働許可
・雇用契約の種類・様式
・トルコ労働法における基本労働条件・労働条件変更の方法
・雇用契約の終了(解雇・紛争処理)

トルコはアジアとヨーロッパの結節点として、EUや中東・アフリカ・中央アジアへのゲートウェイとしての魅力から外国からの投資を呼び込んでいます。貿易赤字の克服というトルコに突きつけられた課題はあるものの、経済指標も改善基調にあると言えます。1年程の間でトルコと日本の両首脳が3度にわたりトップ会談を持ったことにより、両国のビジネス拡張に向けた機運はさらに高まっています

ここ最近の買収や合弁例:

-   日立物流が現地物流会社のMars Lojistik社の50%を取得(約90億円)
-   トヨタ自動車が既存工場を拡張。カローラ・セダンの生産を開始(約200億円)
-   パナソニックが電子・電気メーカーのViko社を買収(約460億円)
-   東洋鋼板が現地Tosyali社と合弁(約400億円)
-   三菱重工が現地発電会社Kirklareligaz Enerji社の株式50.1%取得、発電所建設(約600億円) 

以下の写真はキュクレ社のサブリ・ギュレル社長と握手を交わす味の素の伊藤雅俊社長。

味の素は昨年11月に、トルコの老舗食品メーカー、キュクレ社の株式の50%を29億円で取得。現地法人を設立し自前で草の根営業を行い、販売網を構築していく手法が味の素のこれまでの真骨頂でした。今回は、買収により現地での流通網を一気に獲得するやり方に打って出ました。果たして、狙い通りの結果を得られるか? 期待したいです。


         キュクレ社のサブリ・ギュレル社長と味の素の伊藤雅俊社長

2014年の日本の対トルコ投資は、昨年を上回るものと見込まれています。トルコ経済大臣の近々の訪日も取り沙汰されています。1016日にはイスタンブールで「日本トルコ合同経済委員会」が開催されます。二国間の産業協力、更にEPAFTAについても進展が期待されるところです。

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