2014年8月31日日曜日

5分でわかるトルコ投資

トルコへの日本企業を支援する通称ISPATと呼ばれる公的機関がある。
トルコ共和国首相府投資促進機関である。

そこから出されている冊子に「5分でわかるトルコ投資」がある。10の項目から構成。
トルコを鷲掴みにするにはもってこいの内容だ。

数日前にもISPATと法律事務所との連携で、トルコ進出企業が直面する法律上・税務上の実務についてのセミナーが開催されていたが、会場は満杯であった。日本企業のトルコへの投資、ビジネスの拡販を狙う企業が増えていることを肌で感じる。

その項目とは以下の10である。
順番にこのコーナーで明日以降、ひとつひとつ詳細をお伝えしたい。
トルコ進出、トルコへの投資、トルコとの輸出入を計画されている企業にとっての必須情報である。トルコに関心や興味ある人たちにとってもトルコを知る上で手っ取り早い。

(1) 高い成長率、強固な財政基盤

(2)人口7500万人、約半数が30歳未満の豊かな国際市場

(3)人口15億の製糸場に隣接

(4)進むEU化 (EU関税同盟加盟国)

(5)安定した政治・経済と宗教

(6)優れた労働力が支える「モノ作りの国」

(7)トルコに進出している日本企業

(8)自由な制度、充実の投資インセンティブと工業用地

(9)親日の歴史、豊かな観光資源

(10)成田、関西から毎日(2便)の直行便


もちろん、トルコについてマイナスとなることは記載されていない。「仕事は段取り8割」という。トルコ進出、トルコへの投資も準備が8割、自社での調査、第三者への調査などが大事となる。

ショッピングセンターに入るとここはどこか?と思わせる。
毎回行く毎にトルコの豊かさの増幅を感じる。すべては現場から・・・。








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2014年8月30日土曜日

レジェップ・タイアップ・エルドアン氏

言わずと知れたトルコ新大統領。

28日、首都アンカラの国会で就任宣誓式に臨んだ。大統領の任期は5年。
外相だったダウトオール氏が新首相の座に滑り込んだ。ダウトオール氏により組閣作業が始まり、閣僚名簿はエルドアン大統領に提出されることになる。

前のギュル大統領はかたちとしての存在であったが、エルドアン新大統領は主宰としての権限の行使を明言、すでに新首相はエルドアン氏の「操り人形」になるのではとの批判もトルコから伝わってくる。下記写真はトルコ首都アンカラで大統領の就任宣誓式典に参加したエルドアン氏=ロイター。



8/29の日経の記事にエルドアン氏の横顔が紹介されていた。興味深い。

◇ 午前2時以降に閣僚に電話をすることも珍しくないという。閣僚が寝ていて、警護官が代わりに出ると「もう寝ているのか」としかり飛ばすという。

◇ 選挙での無類の強さ。その要因の一つは、政党支持率を世論調査会社から毎月集め、政策に反映している点。「独裁的」と批判され反対勢力に耳を貸さない政治手法だが、世論には敏感で世論操作に長けている。

◇ パフォーマンス上手。アマチュアのサッカー選手として活躍したことがあり、大統領選中の7月に国内のエキシビションマッチに出て、15分間でハットトリックを決めた。

◇ 「怒りも雄弁術の手法」。昨年夏に抗議デモが発生したのは記憶に新しい。抗議デモの直後に数十万人の支持集会を開き、「おい、CNN、(この集会を)見ているか!」と叫んだ。

宗教的な保守層からはカリスマと崇められ、少数派都市部のリベラル層からは極端に嫌われるエルドアン氏。1954年生まれ60歳の新大統領、すでに「トルコ中興の祖」と評価され建国の父アタチュルクに次ぐ政治家になるとの声も聞こえてくる。

トルコへの進出・販路開拓や貿易投資を考える日本企業が増えている。エルドアン氏が首相として政権の座にいた11年の間にトルコの経済規模を3倍にした実績は、今後のトルコと日本の経済関係を予測する上でも重要なファクターとなる。


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2014年8月20日水曜日

エルドアン大統領誕生


2014810日、トルコで初の国民投票による大統領選挙が実施され、大方の予想通り、タイイプ・エルドアン現首相の圧勝という形で幕を引きました。(※大統領選の前評判に関しては、過去記事『エルドアン首相が大統領選に出馬へ』をご参照ください。)

 
今回選挙での大統領候補とそれぞれの得票率は以下の通り。(http://secim.internethaber.com/cumhurbaskanligi-secimi-2014/

現政権与党AKP(公正発展党)党首レジェップ・タイイプ・エルドアン氏(60・・・得票51.8%
 

・CHP(共和人民党)とMHP(民族主義者行動党)が共同で擁立したエクメレッディン・イフサンオール氏(70得票38.4%
 

・クルド系政党HDP(人民の民主主義党)の共同党首セラハッティン・デミルタシュ氏(41得票約9.8%
 

AKPに対抗する最大連立野党が、元イスラム協議会(現イスラム協力機構)の事務総長を務め、トルコ文化やイスラム世界に関する多くの著作を世に出している学者のイフサンオール氏を候補に擁立したことは、イスラム保守層の支持の厚いエルドアン首相に対し一石を投じるものではありましたが、同時に、もともとの世俗派支持者の票が大きく割れてしまったのも事実のようです。

HDPはクルド系住民の多い東部を中心に勢力を広げており、今回その得票率を約10%にまで伸ばしてきたのは、クルド系政党としては大きな躍進とも言えます。実際に、「今回の選挙における実質的な勝利」とする見方もあります。トルコ初の公式なクルド人大統領候補となったデミルタシュ氏の、41歳という若さと人権活動家としてのクリーンなイメージ、人種差別解消への期待の高さも大きいでしょう。

全体で75という投票率は日本に比べたら非常に高く、トルコ国民の政治参加への意識の高さが窺えます。しかし実は、過去10年間にトルコで行われた選挙の中では今回の投票率は最低だった、という驚くべき事実もあります。(ちなみに、3月末の統一地方選挙の投票率は約90%でした。)

その原因のひとつとして、今回の選挙がバケーション・シーズンであったため、帰省や旅行で自分の投票所から離れてしまっているケースが多かった、という見方もあります。また、3月に行われた統一地方選挙でのAKP圧勝に続き、今回もエルドアン氏勝利の予測が有力で、一部の世俗派・反AKP有権者には諦念のようなものもあった印象を受けます。現地メディアやSNSでは「ボイコット派」に関する様々な意見が飛び交っていました。

いずれにしても、二回目の選挙を待たず過半数の支持を得たエルドアン氏は、828日を以て大統領に就任します。

現在は、エルドアン氏が大統領就任後の首相後継者が誰になるのか、また、法改正による大統領権限の強化など、その動向が気になるところです。

開票開始後の状況を見て、海外メディアは以下のように報じています。(http://haber.sol.org.tr/medya/dis-basinda-cumhurbaskanligi-secimi-yorumlari-haberi-95683

AFP通信;エルドアン首相の圧勝はほぼ確実とみられる。この得票率のまま進めば、エルドアン氏はトルコ初の国民に選ばれた大統領となり、彼の「新生トルコ」構想は現実になるだろう。圧倒的多数の支持を得た勝利によりエルドアン氏の強いリーダーとしての位置付けは更に強まるものと思われる。エルドアン氏は首相の次は実行力のある大統領となることを宣言した。

AP通信;エルドアン氏はトルコを分裂させる様相を呈してきた。批判側は彼について、「権力を一手に握り、人々の信仰心に付け入り、徐々に強権化していく指導者」として見ている。エルドアン氏にとって重要なのはこの選挙で獲得する得票率だ。もし統一地方選よりも低い得票率となった場合、それは彼の人気の低下を意味することにもなりうるからだ。批判側は、彼が選挙活動をアンフェアな形で展開し、自己資産でメディアを買収したと主張している。

アルジャジーラ;AKPは統一地方選挙にて圧倒的勝利をものにした。根強い首相人気はここ数か月の展開からもさしたる影響は受けていない模様だ。エルドアン氏は強い大統領となる意志を公言してはばからない。選挙活動を通して、エルドアン氏は実行力のある大統領というポジションについて言及している。それというのも、トルコにおける大統領とはほとんど象徴的なものだからだ。評論家は、彼が大統領選で勝利した場合、国の統制を強める強権的かつ保守的な指導者となると懸念している。

 
デイリー・メール;非公式の数字によると、エルドアン氏が選挙で勝利し、投票による最初の大統領となった。

ハッフィントン・ポスト;ベキル・ボズダー法相はツイッターでエルドアン氏がトルコの第12代大統領となったと発表した。

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長期政権の道が開けたことが、国家の安定とさらなる繁栄をもたらすのか、はたまた強権主義による政治の不透明や国内世論の分裂に繋がるのか。
 
トルコの政治状況に世界が注目しています。