2015年6月24日水曜日

トルコのナチュラル・スイーツ

トルコから来日されたお客様から、こんなお土産を頂戴しました。


彩りがとてもキレイなこのお土産は、『マラティヤ・パザール』という、ドライフルーツやナッツ類を扱う老舗店のもの。1870年にマラティヤで生まれ、今はイスタンブールに本社と工場を持ちます。
ちなみに、マラティヤはあんずの名産地として非常に有名です。(過去ブログ参照『あんずギネス記録 』)

こちらのお土産は、様々なナッツやドライフルーツを用いたトルコの伝統的なナチュラルスイーツのアラカルト。開封せずにインテリアとして飾っておきたいようなデザインですが、よく見ると、ホールのピスタチオがみっしりとくっついているものなど、個々に見ると非常にインパクトが強いものもあります。

どんな味がするのか気になるところですね。

まず、ジェゼルイェと呼ばれる、ねっとりとしたオレンジ色のペーストに、各種ナッツがちりばめられたものを頂きました。グリーンのものはピスタチオ、白っぽいものはヘーゼルナッツ。
 

中身はてっきりあんずのペーストと思い込んでいましたが、実は主原料は人参。シナモンが程よく効いていて、人参ケーキの風味を思い出させます。砂糖とコーンシロップと小麦スターチで練り固められています。
クラッシュしていないピスタチオがそのままみっしりと張り付いているパターンも、中身はこのジェゼルイェです。
いずれもナッツの香ばしさと混ざり合い、風味豊かで素朴な味わいです。

こちらはドライアプリコットの間にアーモンドをサンドした一品。

ドライアプリコットの素朴な甘さと生アーモンドの絶妙なコンビネーションが…微妙でした。
アーモンドはローストした方が美味しい、という意見多数。
ただ、そのあまりに絶妙な味ゆえに、もう一度確認したくなるという魔性を秘めた一品です。

個人的に最もはまったのはこちら、ジェヴィズリ・スジュック。トルコ語で「くるみ入りソーセージ」という意味ですが、もちろん肉ではありません。中に詰め物をして細長くロールしているので、「ソーセージ」と名付けられているのでしょう。輪切りポーションで頂きます。


ゼラチンを用いないイスラム圏では、プニプニした食感のスイーツはたいていスターチを使います。
こちらの原料は、砂糖、くるみ、コーンシロップ、小麦スターチ、ぶどう濃縮液です。
鼈甲色に透き通る中に、大粒のクルミがゴロゴロ入っています。

お味は、はっきり申し上げまして「くるみゆべし」です。
ゆべしほどねっとり感はなく、どちらかというとグミっぽい食感。
噛むほどにゆべし部分は分離しますが、溶けて消えることはなく、クルミのザクザクした食感と不思議なハーモニーを創りだします。

初めて食べた時は、その違和感に圧倒されます。が、不思議と後を引く食感に、「もう一回味わってみたい…」と手を伸ばしてしまい、いつの間にかその味の虜になっているという。

まるでトルコという国そのもののようではありませんか。

トルコ版くるみゆべしをほおばりながら、イスタンブールの市場にトリップしてしまった本日のおやつタイムでした。

日本でも近年ドライフルーツは非常に注目されており、トルコ産のものもよく見かけます。
ただ、中近東ほど大量消費する文化ではないので、トルコサイズのものはなかなか難しいかもしれません。
今回頂いたお土産も、日本のマーケット向けに6個くらいの箱入りで高級感を出したら、ギフト需要にマッチしそうな気がします。

今後の展開に期待します!



2015年6月23日火曜日

2015年トルコ総選挙結果

6月7日に実施されたトルコの総選挙は、10年以上に渡った公正発展党(AKP)による単独政権に終止符を打つ結果となった。

大統領権限の拡大を目指すAKPとしては、憲法改正に向けて6割となる330議席の獲得を目指していたのもの、結果は53議席を失って258議席に留まり、2002年の政権樹立以来初めて過半数を割り、第一党の座は維持したものの、連立政権の樹立は避けられない事態となった。

第二党である共和人民党(CHP)は7議席増やし132議席、民族主義者行動党(MHP)は29議席増で81議席を獲得。
そして今回最も躍進甚だしいのは、クルド系政党である国民民主主義党(HDP)で、50議席増の79議席を獲得した。HDPはこれまで候補を無所属で出馬させるなどしてきたが、今回政権として初めて10%を超え、国会で議席を得ることとなった。

これらの結果を受けて、アフメット・ダウトオール首相は6月9日、引責による内閣総辞職の意をエルドアン大統領に伝え、受理された。次期内閣が組閣されるまで首相職に留まる予定。

現在連立政権樹立に向けた調整が行われているが、現状は難航しており、シリア国境におけるIS問題、シリア難民の流入問題、クルド過激派との和平交渉、経済成長の急激な鈍化などと併せて、トルコ政治の先行きの不透明さは増すばかりである。

そんな中、本日23日15時に、第25期トルコ大国民議会(TBMM)の通常総会が初めて開催される。


2015年6月20日土曜日

大成と大林組がトルコ原発の建設に参加

大成建設と大林組が、トルコ北部シノプでの原発4基の建設に参加する。フランスのブイグなどとジョイントベンチャーを組む。日本のゼネコンによる海外での原発建設は今回初めて。注目されている。
世界的な電力需要の高まりを背景に新興国を中心に日本企業は海外での原発建設のノウハウを蓄積していく。着工予定は2017年を見込み、2023年の稼働を予定。
2年前に安部総理がトップセールスでトルコを訪問、2兆円の原発受注はそのときの最重要課題でもあった。シノプには4基の原発を建設予定だが、2兆円の総事業費のうち、工事費は4000〜5000億円と見積もられている。
                    2013年10月29日、エルドアン首相(当時)と安倍首相(写真:共同)
三菱重工業などが管理・運営会社として参画し、大成建設が主幹事となり、大林組が加わることで日本企業を中心に進めることとなる。そのため、日ト政府間事業のため競合なしで進められる見込みである。事業会社は1キロワット時あたり平均10.80~10.83米セントを売電価格として資金を回収していく。トルコの電力会社と20年の電力購入契約を結ぶ予定だ。
日本では現状、新たな原発の建設が見込めない。トルコなど海外に積極的に進出することで、日本企業の原発の技術力を維持する狙いも背景にあるようだ。
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2015年6月15日月曜日

トルコ・オスマン軍楽隊 東京公演

トルコ・日本友好125周年を祝う記念イベントとしてトルコ・オスマン軍楽隊による東京公演が6月5日、すみだトリフォニーホールで開催された。世界最古の軍楽隊による演奏である。


今回、何年かぶりで再び生で聞くことができた。初めて聞いたのはイスタンブールの軍事博物館。コンスタンティノープルがトルコ海軍の戦艦侵入を防ぐのに金角湾の入り口を封鎖するのに使った巨大な鎖が展示されていた記憶がある。

軍楽隊「メフテル」の音楽、何とも心を揺さぶる印象的な音楽である。実は初めて軍事博物館で演奏を聴いたあと、そのCDを買って帰ったほどである。今も車のダッシュボードに入れてあり、たまに思い出したように聞くことがある。不思議な音楽だ。

ただご存知の方も多いかもしれないが、向田邦子原作の「阿修羅のごとく」が1979年からNHK総合で放送され、その中でトルコ軍楽隊行進曲が使われていた。そのことを最近筆者は知った。当時その番組を筆者もみていたような記憶がある。その音楽がインプットされていて何十年ぶりに蘇ったという何とも面妖な感じである。

オスマン軍楽隊は全く面妖でも何でもない。
紀元前からトルコ族の軍勢には楽器を奏でる兵士たちが存在していた。そのメフテル音楽が最も効果を発揮したのは戦場だ。敵陣に討ち入る際の日本の突撃ラッパ、進軍ラッパに匹敵するものといえるかもしれない。敵への進撃開始時にメフテルが鳴り響くと、トルコ軍の士気がいっきにあがり、敵は恐怖したとのことである。


コンサートホールに置かれていたパンフレットによると「平時には皇帝の声として、決まった時期に軍学曲を演奏し、市民を鼓舞するメフテルは戦時には軍隊を先導し戦の行方を定めました。そのとてつもないエネルギーに敵は戦意を挫かれ、天地は唸り、勇者は熱狂したのです。」とある。



さらに「メフテルに魂をゆさぶる力が潜んでいることに気づいたヨーロッパの人たちは自国の軍に軍楽隊を導入しはじめました。ポーランド、オーストリアに続きロシア、プロシア、フランス軍にも軍楽隊がおかれるようになり、今日のバンドの基礎が築かれることとなったのです」とある。

是非、皆さんにもイスタンブールに行かれたら生で聴いたみていただきたい。
今回のコンサートには海上自衛隊東京音楽隊も共演していて、その中の一曲は「軍艦マーチ」であった。どの国にも共通したものがあり、音楽は人の魂を動かす効果があることは間違いなさそうだ。

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