2016年9月28日水曜日

エーゲ海の王子様、知っていますか?


<トルコとの貿易・輸出入、トルコ投資、トルコ進出を考える日本の企業様へ>

トルコの輸出産業で大きな利益を生んでいる海産物セクター。

中でもとりわけその美味しさゆえに世界からひっきりなしに注文が寄せられている海産物があります。
「白身魚の王子様」とも称されるその海産物、それは…...




そう、『タイ』です。


もちろん、日本で馴染みのあるタイとは種類が異なり、トルコ語名Çipura(チプラ)、日本語では『ヨーロッパヘダイ』と呼ばれるもの。

地中海および北大西洋東岸に生息し、体長は50-60cm程度。青みがかった銀色の体で前頭部に金色の帯があるのが特徴です。ヨーロッパ各国では非常に一般的な食用魚で、生食・焼く・蒸すなど、調理方法も様々。

トルコから輸出される海産物の3/4を取り扱っているエーゲ海産物・畜産物輸出組合の記録によると、2016年1月-8月のタイ輸出量は35%アップ、17,570tから23,685tに増加し、輸出額は1億2524万3千ドルに達しました。

エーゲ海産物・畜産物輸出組合のシナン・クズルタン会長によると、

「美味しさと健康効果を併せ持つトルコのタイに集まる世界からの需要に応えるため、生産キャパシティを年間60tから90tに引き上げる投資を行いました。これにより、輸出量も50%の増加を見込んでいます。建国100周年の2023年には、15億ドルの輸出額を目指します。」

とのことで、非常に勢い付いている分野です。

トルコ産のタイの輸出先国は現在44か国あり、一位はオランダ、二位はイタリア、三位はスペインとなっています。

良質なたんぱく質とオメガ3脂肪酸を含み、動脈硬化や高血圧、血管の詰まりなどを予防し、免疫力を高めることも指摘されているエーゲ海のタイは、ヨーロッパでは既にブランドとして確立されているとか。

「エーゲ海の王子様」、ぜひ日本の食卓でもお会いしてみたいものです。

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2016年9月12日月曜日

様変わりするクルバン・バイラム2016


<トルコとの貿易・輸出入、トルコ投資、トルコ進出を考える日本の企業様へ>

イスラム暦の1210日に始まるクルバン・バイラム(犠牲祭)は、トルコの二大連休のひとつ。旧約聖書に基づく宗教的な祝祭日で、次の故事がその由来となっています。


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その昔、信仰心篤いイブラヒムが、神から「自分の最も大切なものを生贄に捧げよ」との命を受けました。イブラヒムは悩んだ末に、アッラーの思し召し通り息子イスマイルを手にかけようとします。その時、イブラヒムの忠誠心を見て取った神から雄羊が届けられ、イブラヒムは息子の代わりに羊を神への供物として捧げることができました。

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バイラム(祝日)は通常4日間とされ、公的には今年のクルバン・バイラムは912日(月)~15日(木)となっていますが、16日(金)も休みにして、土日含めて9連休にしているところが多いようです。



従来クルバン・バイラムでは、生贄とする羊やヤギ、牛などを生きたまま売買し、シメて解体して貧しい人々にもおすそ分けをする喜捨のイベントでした。羊が道端で解体されるスプラッタな光景も一種の風物詩でしたが、近年ではそういった行為を野蛮・残酷・不衛生などと見なす風潮も出てきて、都市部では指定された場所以外での解体は禁じられているようです。

それでも毎年バイラムの前になると、地方の羊飼いや牛飼いが家畜を連れて都市部にやってきて、「クルバン・パザール」という市を開きます。駐車場を借りてテントを張り、何十頭もの羊や牛がそこで一般向けに売り買いされます。

牛の場合は8,000-9,000リラ(約27~31万円)から27,000リラ(約93万円)、羊やヤギだと500-700リラ(約17,00024,000円)から1200-1700リラ(約4万~58,000円)くらいが今年の相場だそうですが、今年のクルバン・パザール、売り手はかなり厳しい状況に追い込まれているようです。輸送費や場所代が昨年の倍に跳ね上がっており、しかも買い手も減っている。50頭連れてきて一週間で12頭しか売れないなんて話もザラで、必要経費すら捻出できないのではないか、と危惧する声もチラホラ。そもそもこうした伝統行事のために生贄を購入する層は、貧しくも信心深い人々が多く、月々の生活費とは別にクルバンのために毎月少しずつ積み立てているのだそう。値上がりによりそうした人々が一頭買いする余力がなくなってしまっている、という見方も。

「クルバン・パザール」で閑古鳥が鳴いている一方、都市部で盛り上がっているのはAVMと呼ばれるショッピングセンターです。高度経済成長の証明と言わんばかりに近年続々と数を増やしているAVM。お正月と同様、バイラムは洋服を新調したりギフトを用意したりする商戦期であり、しかも今年のクルバン・バイラムの時期は新学期直前、バイラム明け=新学期スタートというタイミングが重なって、新学期応援値下げ合戦が繰り広げられています。衣料品から家電まで、あらゆるカテゴリーで売り上げが前月比15-20%伸びているのだとか。あるショッピング・モールでは、バイラムの前日に「伝説のディスカウント」と称して終日70OFFを実施、結果一日で7万人が押し寄せたそうです。


伝統的なイスラム社会の祝日も、時代とともに様相が変わってきているようですね。








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2016年9月7日水曜日

8月26日、第三ボスフォラス橋が開通

<トルコとの貿易・輸出入、トルコ投資、トルコ進出を考える日本の企業様へ>

イスタンブールのボスフォラス海峡に『世界で最も広い橋』ヤウズ・スルタン・セリム橋が、去る826日、ついに開通しました。


トルコおよび世界の建築技術の歴史上、非常に大きな一歩となる橋を通じた高速道路の開通式典がサルイェル・ガーリプチェで営まれ、多くの市民が参加しました。


ヘリコプターで到着したエルドアン大統領とユルドゥルム首相は、近隣諸国からの要人も乗せた大統領府のバスで、開通後初の通行を行いました。




ボスフォラス海峡は現在、

・第一ボスフォラス大橋(715日のクーデター未遂事件の犠牲者を悼み、『715日殉死者の橋』と改名)
・第二ボスフォラス橋として知られる『ファーティフ・スルタン・メフメト橋』
・今回新たに開通した第三の橋『ヤウズ・スルタン・セリム橋』

の、三つの大橋がヨーロッパとアジアを繋いでいます。


さらに海底には『マルマライ』海底トンネル地下鉄が201310月に開通しており、今年12月には『ユーラシア・トンネル』も開通予定。

ボスフォラス海峡をつなぐ交通はさらに密になっていきます。



このヤウズ・スルタン・セリム橋は、ヨーロッパ側⇒アジア側に関して、831日まで無料、91日より有料の通常運用が開始されました。
通行料は一般車両は9.90リラ(約343円)、ホイールベースの幅や数により、積載量の多い車両は13,20リラ(約460円)からとなっています。

一方、アジア側⇒ヨーロッパ側への通行は無料だそうです。



全長2164m、幅59m、322mのタワーを備え、8車線の自動車道と2本の鉄道が通る『ヤウズ・スルタン・セリム橋』。
2013529日に着工した同事業は、39か月で完成を迎えました。




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