6月7日に実施されたトルコの総選挙は、10年以上に渡った公正発展党(AKP)による単独政権に終止符を打つ結果となった。
大統領権限の拡大を目指すAKPとしては、憲法改正に向けて6割となる330議席の獲得を目指していたのもの、結果は53議席を失って258議席に留まり、2002年の政権樹立以来初めて過半数を割り、第一党の座は維持したものの、連立政権の樹立は避けられない事態となった。
第二党である共和人民党(CHP)は7議席増やし132議席、民族主義者行動党(MHP)は29議席増で81議席を獲得。
そして今回最も躍進甚だしいのは、クルド系政党である国民民主主義党(HDP)で、50議席増の79議席を獲得した。HDPはこれまで候補を無所属で出馬させるなどしてきたが、今回政権として初めて10%を超え、国会で議席を得ることとなった。
これらの結果を受けて、アフメット・ダウトオール首相は6月9日、引責による内閣総辞職の意をエルドアン大統領に伝え、受理された。次期内閣が組閣されるまで首相職に留まる予定。
現在連立政権樹立に向けた調整が行われているが、現状は難航しており、シリア国境におけるIS問題、シリア難民の流入問題、クルド過激派との和平交渉、経済成長の急激な鈍化などと併せて、トルコ政治の先行きの不透明さは増すばかりである。
そんな中、本日23日15時に、第25期トルコ大国民議会(TBMM)の通常総会が初めて開催される。
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