2013年11月30日土曜日

日本・トルコ経済連携協定(EPA)を考える その1

2012 7 月、チャーラヤン・トルコ経済大臣と当時の枝野経済産業大臣、玄葉外務大臣との三者の間で、日トルコ経済関係における協力枠組み設立に関する覚書の署名が交わされた。それに伴い日・トルコ貿易・投資閣僚会合の第一回会合が開催された。日本政府は日トルコEPA の政府間共同研究を2012 年に立ち上げることで合意。トルコにおけるビジネス環境整備の観点から、通関手続きや税制等の問題への対応強化を日本政府が要請した。

12年7月のチャーラヤン経済大臣訪日に合わせ、7月19日には、コンラッド東京でTurkish-Japanese Business Forumを開催している。午前はトルコ貿易投資セミナー、午後はトルコと日本企業とのB2B個別商談会を開催。また、トルコとの貿易を通じて関係を強化しつつある大手商社やアパレルメーカーと同大臣との間で、1時間半近くに渡って個別セッションが持たれた。チャーラヤン経済大臣の熱血果敢で近しみ易い態度と具体的な議論内容に接して、日本側参加者も一様に今後のトルコとの更なる経済・貿易交流に向けた期待感を膨らませたようであった。筆者も傍らでそう強く感じた。その年の12月には中小企業支援調査の一環で、筆者は関係者の皆さんをご案内しつつ、アンカラ、イズミール、イスタンブールの政府および関係機関を訪ねた。当該事案の事前準備に向け、トルコとの情報交換・情報共有を介して関係先との交流・関係構築を図るべく取り組んだ。



2013 5 月、安倍首相はトルコを訪問。エルドアン首相との首脳会談で、「両国間の貿易・投資を促進し、両国の経済関係を更に高いレベルに引き上げること、この関連で、日トルコEPA 交渉の将来の妥結へのプロセスを加速することで一致した」(外務省)。
日トルコEPA に向けて新たなギアが入った瞬間であった。

日本・トルコEPAについては、メリットとデメリットの両方を併せ持つ。トルコの貿易投資の重要なパートナーとしての潜在性は、日本・トルコEPAによって、両国間の互恵的(Win-Win)ビジネスの推進に寄与するものと大いに期待できる。例えば、日本は自動車や電気製品等において、他国との熾烈な競争にさらされている。韓国等他の競合国と対等な競争環境を確保することは急務である。例えば、自動車10%、テレビ14%といった高い関税率から生じる日本企業の劣勢を回復するため、EPAは極めて重要な協定となる。


アタチュルク国際空港には韓国HYUNDAIの大きな看板広告が。


市場アクセスに加え、知的財産や基準認証、ビジネス環境整備、投資ルール・サービス貿易等を盛り込んだ包括的なEPAの実現によって、日本企業の安定的な事業環境の基盤整備の確立が図れる。早期の開始・実現を期待したい。

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