「トルコ150年の悲願」、ヨーロッパとアジアを繋ぐ海底鉄道【マルマライ】が、共和国建国90周年を迎えた10月29日に開業、記念式典が盛大に行われました。
アジア側ウスキュダルの会場には陸・海・空から厳重な警備が敷かれ、押し寄せた大群衆が見守る中、日本の安倍晋三首相を始め、ルーマニア首相、ソマリア大統領他、8か国から9名の大臣が来賓として、またトルコ国会議員、官僚などが参加する一大式典となりました。
※;写真引用;http://www.radikal.com.tr/fotogaleri/turkiye/marmarayda_ilk_sefer-1158016-12
開通スピーチに先立ち上映された映像では、イェニカプの発掘調査を紹介。開発に伴う掘り起しの際、各地から遺跡が出土し、それが工事の障害にもなっていました。遺跡調査も尊重され、イェニカプの発掘調査ではイスタンブールの歴史が8500年前に及ぶことを改めて知ることとなりました。
記念すべき初回運行では、ウスキュダル出発の列車の機関室に、安倍首相を含め各国の閣僚、ギュル大統領、エルドアン首相が乗り込みました。
(おエライ人たちを狭い機関室にごちゃっと押し込めてしまうこの光景がとてもトルコ的と思うのは私だけでしょうか…。)
列車は海峡の下を通過する際、海峡の最深地点で停車。首相らが記念プレートを掲げたことで、海峡通過4分とされる運行時間が20分かかり、トルコのツイッターは一時騒然となりました。
オスマン時代に設計図が描かれ、これまで何度も計画されてはとん挫を繰り返してきた国家プロジェクト。日本の大成建設、トルコのガマ重工業、ヌロール社の企業連合で2004年5月に着工、実に9年に及んだ大事業がついに実を結ぶこととなりました。
これまで、ボスフォラス海峡を渡る手段は、①1973年に開通した第一ボスフォラス橋、②日本の政府開発援助のもと1988年に建設された第二ボスフォラス橋、③海上交通としてのフェリー、という3つのルートでした。
陸路は朝夕のラッシュアワー渋滞が社会問題視され、最も速い手段とされるフェリーでも大陸をまたぐのに30分を要していました。輸送問題はかねてよりイスタンブール都市開発における大きな焦点で、五輪招致活動でもこの点が最大のウィークポイントでした。
そもそもトルコは鉄道網があまり発達しておらず、基本的には車社会です。長距離移動も、公共交通機関では鉄道より高速バスがメジャーです。市内には一部地下鉄や路面電車も走っていますが、市内各地を網羅しているバスやドルムシュ(乗合タクシー)の方が、庶民の生活に密着している印象があります。
今回のこのプロジェクトで、既存の鉄道路線も利用しつつ、ヨーロッパ側のハルカルからアジア側のゲブゼまで76kmを104分で結ぶことが実現されました。ハルカルを出発した列車はイェディクレ駅から地下に入り、イェニカプ駅、シルケジ駅、ボスフォラス海峡を通ってアジアに渡り、新設された地下のウスキュダル駅を過ぎて、ソウトゥリュチェシュメ駅で地上に出ます。駅数は、新設または改修された地上の駅に、地下に新設された3駅を加えた全41駅となります。
地図上の赤いラインが地上の路線、白いラインが海底を通る部分です。
気になる運賃ですが、従来の市内運賃と同じく1.95トルコリラ(約96円)とのこと。激安です!
主要な各駅からのバスやメトロへの乗り継ぎも配慮されており、今後のイスタンブール市民の生活に大きな変化を及ぼすことは間違いないでしょう。
・・・とは言うものの。
個人的にはフェリーでのんびりと海を渡るのも風情があって好きです。
ビジネスの時はtime is moneyですが、お時間が許すならぜひ、海風に吹かれてチャイなど飲みながら海峡横断を楽しんでみてください。ゆったり流れるトルコ・アワーを感じられるひと時です。
※ニュースソース;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%A4%E8%A8%88%E7%94%BB
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