2014年2月3日月曜日

トルコ金融市場の動き

昨年12月の汚職事件によって、トルコの政治的不透明感が高まった。それに追い打ちをかけるように、トルコの金融市場では、年末から124日まででトルコ・リラは対円で7.7%、株価は5.0%とそれぞれ下落を示した。2年国債利回りは0.87%ポイント上昇し、10.97%となった。

経常赤字を抱える新興国トルコへの不安が金融市場で高まり保証料率が急騰。米国連邦公開市場委員会(FOMC)で量的金融緩和の縮小が決定されたことが、リスクを避けたい投資マネーの流出をもたらす結果となった。新興国の通貨や株式が売られ、世界的に金融市場が不安定な様相を呈している。通貨売りが顕著なのは、トルコをはじめとする経常赤字幅が大きい国である。通貨不安に対応して、トルコをはじめ、南アやインドが利上げに踏み切っている。

きっかけは、アルゼンチンの外貨準備の減少に市場の関心が高まったことで、同様に経常赤字を抱える他の新興国への不安も増大。信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引で最初に保証料率が急騰したのはアルゼンチンであった。

通貨急落などの問題が深刻化すれば、他の新興国にも影響が広がり、世界経済の波乱要因となる可能性も懸念されるところではある。今のところ、かつて経験した1990年代のアジア危機のような深刻な事態になるとの見方は少ない。


2014年は地方選挙(3月)と大統領選挙(6月)が予定され、トルコにとって最も重要な年となる。与党AKPはイスラム色の強い地方を中心に広範な支持を得ており、政治基盤が崩れることはないとの見方が強い。今回の政治的不透明さが、トルコ金融市場の不安定さの一因でもあるなら、3月の地方選挙で与党AKPが国民から信認を得ていることが証明されれば、政治的不透明感は少なくとも払拭されるのではないだろうか。トルコの金融市場が落ち着きを取り戻せば、トルコの魅力ある成長力や金利水準が再び注目され、トルコ・リラの反転も期待できよう。

【トルコ進出、トルコ進出サポート、トルコ進出支援、トルコ貿易投資の専用サイトはこちらから

0 件のコメント:

コメントを投稿