2014年1月19日日曜日

今アツい!トルコ産ドラマ

今、トルコのドラマが熱いです。

 
海外ドラマと言えばアメリカの連続ドラマと韓流ドラマばかりが目に付く日本でそんなこと言われてもいまいちピンと来ませんが、実は今、トルコはドラマ輸出規模がアメリカに次いで世界第二位という、ドラマ輸出大国です。
 
2012年には75ヶ国向け、11,000時間を超えるドラマが輸出され、総輸出額は1,5億ドル。2013年は年末の時点で1,8億ドルとさらなる成長を見せたトルコは、アメリカを除いたドラマ輸出部門でのトップに躍り出ました。2014年は2,5億ドル、2023年には10億ドルを目指しています。
輸出開始当初は1話あたり3050ドルだったトルコ・ドラマも、今や500200,000ドルと跳ね上がり、この数字はトルコ・ドラマ人気を物語っています。

現在の主な輸出先は、
中近東とバルカン諸国、他ウクライナやロシアなど。
新たな開拓市場としてアジア諸国や極東へも徐々に進出が始まっています。
 
映画とドラマの年間輸出総額が150億ドルという大国アメリカにはまだまだ太刀打ちはできませんが、中近東やバルカン諸国はアメリカよりもトルコに文化的に近いというアドバンテージがあり、これらの国ではトルコのドラマがより好まれ、ハリウッド制作ドラマがゴールデンタイムに参入する余地はない模様。最近では、特に中東地域にドラマを輸出したいアメリカからトルコの制作会社に共同制作や業務提携などのオファーが後を絶たないそうです。実際に、昨年はアメリカの人気ドラマ『リベンジ』(ディズニー)のトルコ版『Intikam(復讐)』がトルコで制作・放映され、大変な人気を集めました。
トルコドラマの周辺諸国への影響は絶大です。
201341日付のRadikal紙によると、イランで近年離婚率が急上昇している要因は、アメリカの経済制裁による社会不安もさることながら、トルコドラマのせいでもあるとイラン政府が言っている、とのこと。「離婚に対する伝統的な禁忌を破り、<家族構成の不安定>を招いている」と。
 
しかも、どうやらこの現象はイランに限ったことではなく、トルコ・ドラマが輸出されている中近東全域に見られる、一種の社会現象になっている模様。
 
イスタンブールはもはやひとつのオシャレの最前線である種のステータスにもなっており、
ドラマの「聖地巡礼」に訪れる観光客も激増しているとか。
ドラマで使用されたファッションブランドも続々国外展開しています。
 
それほどまでに、周辺諸国の、特に女性たちがトルコ・ドラマにハマる理由は何なのでしょう?
 
トルコのドラマにもいろいろありますが、例えば中東諸国でトルコ・ドラマブームの火付け役となったGümüş(女性名;ギュミュシュ/「銀」の意)』20072008)。
 
かいつまんで言うと、地方出身の女性・ギュミュシュが子供のころから憧れていたメフメトとの結婚が決まり一人イスタンブールへ来たものの、肝心の夫は、両親から結婚を許されないまま自分が起こした事故で失ってしまったかつての恋人への思いを断ち切れず自暴自棄になっていて、一度はギュミュシュとの結婚を前に逃亡を図る。それが原因で父親が心臓発作を起こし、結果的に二人は結ばれるが、心は通っていない。新婦に対する姑・小姑の風当たりも厳しく、四面楚歌なギュミュシュ。そんな彼女に、夫の祖父が手を差し伸べ、テキスタイルの会社で働くことになる。様々な困難を乗り越えて、夫との愛を育み、田舎者から都会の女性に変貌を遂げていくというシンデレラ・ストーリー。
 
(韓流ドラマに近いものを感じるのは私だけでしょうか…?)
 
要は、トルコのドラマでは
 
・(欧米志向の)上流階級が舞台
・自由な恋愛観
・女性の社会進出
 
など、イスラム圏の女性が憧れる世界が自分たちに近い文化の中で、美男美女(←ココ重要)によってキラキラと描かれているわけです。
 
(ちなみに、夫メフメトを演じた金髪碧眼のイケメン俳優Kıvanç Tatıltuğ(クヴァンチ・タトゥルトゥ)は、「中東のブラピ」と称されています。)
 
 
さらに決定的なのは、そこに加わる湿り気たっぷりのメロドラマ感。(←ここがハリウッドドラマとの違い!?)
・不治の病
・運命のいたずら
・許されない恋
・不慮の事故
・過去への囚われ
 
などなど、メロドラマに欠かせないウェットな要素がてんこ盛り。
そんな時代劇並みに使い古された設定もまた、人気の秘密のようです。
 
時代劇と言えば、最近トルコで大人気のドラマMuhteşem Yüzyıl(華麗なる世紀)』2011~)は、スレイマン大帝と妃ヒュッレムを中心としたオスマン朝時代の宮廷が舞台。絢爛豪華な衣装で登場するスルタンや御妃様など、設定は私たちには縁遠い感じがしますが、一皮むけばそこで描かれるのは権謀術数、ハーレムの女性たちの熾烈な権力争いとラブ・ロマンス。言うなればトルコ版『大奥』国は違えど人種も違えど、ドッロドロのゴシップはやっぱりみんな大好きなのですね。妙に感慨深いものがあります。
 
トルコ産ドラマは、ドロドロやメロメロの宝庫です。
トルコアイス並みの粘り気が堪能できること請け合いです。
韓流の次はトルコ流。そのまま輸入も面白いし、翻案して日本のドラマに取り入れるというのもアリでしょう。
 
トルコ・ドラマ、これからますます注目株です。
 
なお、現在トルコドラマの輸出先国は以下の通り。
アジア;アフガニスタン、アゼルバイジャン、ブルネイ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、台湾、ベトナム、
ロシア・中東欧;アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、チェコ、グルジア、クロアチア、モンテネグロ、コソボ、ハンガリー、マケドニア、ルーマニア、ロシア、ウクライナ、ギリシャエストニア、スウェーデン、ドイツ、スイス、ラトビア、リトアニア、スロバキア、スロベニア、
中近東;UAE、バーレーン、アルジェリア、モロッコ、イラク、イラン、カタール、クウェート、リビア、レバノン、エジプト、シリア、チュニジア、オマーン、ヨルダン、イェメン、
 
※ニュースソース※
 


 

 


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