2014年2月17日月曜日

トルコ経常赤字が前年比34%増となる

ここ直近の新聞報道からトルコの経常赤字に伴う現状の概略をお伝えする。

トルコは輸出の伸び悩みと輸入依存によって、通貨安の再燃が危惧されている。
トルコ中央銀行の発表によると、モノやサービスなどの海外との取引状況を示す2013年の経常収支が650億ドルの赤字となり、これでトルコは12年連続の経常赤字を更新。経済成長に伴う内需拡大で燃料や電気製品などの輸入が増加、輸入依存の経済構造を放置すれば、再び投資マネーの流出を招きかねないと見られている。

トルコ政府は昨年、経常赤字を抑え国内の貯蓄率を上げるために、個人のクレジットカード利用を抑制する規制を導入した。しかし、銀行の急成長を支えてきたクレジットカードの利用が規制されたことで、逆にGARAN.IS(ガランティ銀行)やAKBNK.IS(アクバンク)などの収益が悪化した。クレディ・スイスのアナリストによると、「国内政治や金利の見通しが不透明なため、来年の利益回復の可能性に基づいて投資を推奨することはできない」と述べ、今年の銀行決算が5%の減益になる可能性があると指摘している。


トルコは昨年末に起こった政府高官の汚職事件の影響が大きく、政府・官公庁・司法にまで余波が広がっている。トルコは3月に地方選、8月に大統領選を控えているため、中銀はこれまで景気減速に対する懸念から利上げを見送ってきた。金利が上昇すれば、融資需要が鈍り、銀行の収益が一段と圧迫される恐れがあるためである。


2013年のトルコの輸出は前年比0.1%増の1634億ドル。主要な輸出先であるEU向けは伸びたが、中東向けが減った。一方、輸入は6.4%増の2432億ドル。ロシアやイランなどからの燃料輸入が約2割を占め、貿易収支は798億ドルの赤字となった。また、2013年の経済成長率は前年の2.2%から3.8%程度へと増えた。乗用車の新車販売は前年比19%増の約66万台と過去最高、中間層の台頭が牽引している。このうち78%は輸入車だった。2012年、トルコ政府は新たに投資優遇策を公表している。高付加価値型の輸出産業を育成するためで、部品産業や研究開発部門への投資を奨励した。経常収支の改善に向けた新たな投資優遇策が検討されるとも言われ始めている。なお、2014年の経済成長率は1~2%程度に減速との見方が強い。

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