世界からの投資が相次ぐトルコではあるが、個人消費の盛り上がりもトルコの街中を歩いていてその勢いがメキメキと音を立てて伝わってくる。イスタンブールはどこへ行っても人波が途絶えることがなく、その勢いとエネルギーに圧倒される。
トルコのショッピングモールはイスタンブールだけで310カ所を超える。2000年には50カ所程度だったその数が、今は年平均30カ所のペースで新設されている。その規模も半端ではない。イスタンブール市内を車で走っていると建設中の建物や高層ビルに頻繁に出くわす。この印象はインドに行ったときと近いものがある。「壊しているのか建てているのか分からないですね」と傍らのインド人に向けた筆者のことばに、そのインド人は「古いのを壊さないと新しいのを建てられませんので、結果は同じですね」という、分かったような・分からないような答えに以外と納得してしまったのを覚えている。
トルコは2010~11年に年率8%を超える高い経済成長を遂げている。1人当たりのGDP(国内総生産)も1万ドルを超え、国民の平均年齢が28.5歳と個人消費も伸び盛り。トルコもインドも共通した感覚だが、ショッピングモールの中にいったん入ってしまうと、ここがどこの国であったのか、一瞬分からなくなってしまう。つまり、ショッピングモールのつくられ方そのものがよく似通っていること、また、東京であれニューヨークであれ、どこへ行っても見かけるブランドのお店が同じ表情で並んでいるからかもしれない。
このショッピングモールは、2005年にオープンしたCevahir(ジェヴァヒル)でトルコではIstinye
Parki(イスティンイエ・パーク)に次いで2番目に大きい。
総面積は420,000平方メートル、店舗数は340以上で主要ブランドが入ってる。Cevahirとは「宝石」という意味らしい。
トルコの難点は、展示会に行った場合もいつもそうだが、案内/インフォメーションがしっかりしていない。欲しい情報が得られない。ハードはいいが、肝心のソフトが追いついてないのが残念である。
Cevahirのフードコートについて言えば、バーガーキング、マクドナルド、カールスジュニアといったファーストフードのお店が入っているフロアーとワンランク上のお店が入っているフロアーがある。ただ、いずれも「もっとちゃんとしたものを食べたい」人向きではないようだ。しかし、アメリカの進出ぶりはさすがだと思ったが、他にドーナツ屋のクリスピークリームも軒を並べている。ファーストフードが入っているフロアーの一階上がワンランク上のお店が入っているフロアーで、トルコの友人とコーヒーを飲みながら休憩をしたが、このトップフロアーは一階下の喧噪とは大きな違いであった。逆をいえば、利用客は少なく、こういったモールの傾向は、ファーストフード志向がはるかに大きい。
2010-11年と8%超えの成長率も、トルコ政府が過熱気味の景気を引き締めたため、12年の成長率は2.2%にとどまった。報道によるとトルコ経済省の幹部は「トルコはOECD/経済協力開発機構加盟国の中で最も急成長を遂げている国」と胸を張る。
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