法改正して大統領権限を強化したい意向のAKPと、大統領の権限強化に反対する他党との考えの違いが明らかになった形です。
これを受けて、エルドアン大統領は21日、「早期総選挙の日取りは11月1日」と発表しました。
「現行の憲法に則り、総選挙後45日以内に組閣がなされなければ、大統領権限で再選挙を決定することができる。期日となる月曜日に国会議長と改めて打ち合わせを行い、早期総選挙に持ち込むこととなるだろう。」
http://www.internethaber.com/erken-secim-ne-zaman-erdogan-tarihi-verdi-808528h.htm
6月の総選挙以来、トルコ国内は大いに揺れています。
総選挙で躍進したクルド系政党HDP(国民民主主義党)へのけん制とも取れる、クルド系武力組織PKK(クルディスタン労働者党)への攻撃が開始され、トルコ東部を中心としてPKKと軍の衝突が頻発しています。
PKKは指導者アブデュッラー・オジャランが1999年に逮捕されて以降、非合法武力組織としての立場は影をひそめ、2013年3月にはAKPが推進する和平プロセスの中において基本的な停戦合意が交わされていました。
しかし、2014年10月のトルコ空軍による南東部ハッカリへの空爆、さらに今年7月スルチュで起きた自爆テロに続く国境を越えてのPKK基地への空爆と、AKPはこれまで続けてきたクルド人との和平プロセスを反故にしようとしています。
国内ではデモや爆発事件が頻発しており、兵士の殉職に関するニュースが連日報じられています。PKKとの衝突で殉職したトルコ軍部隊長の兄である中佐が弟の棺の前で叫んだ嘆きの言葉が、今トルコを揺るがしています。
「昨日まで和平と言っていた人々が、今や最後まで戦い抜くと言っている!」
http://www.gazetevatan.com/sehit-yuzbasinin-yarbay-agabeyi-isyan-etti--856939-gundem/
一方で、この数日前にエネルギー・天然資源省のユルドゥズ大臣が発した問題発言、
「私の目的は、願わくば殉職することだ」
という言葉もまた、今トルコで大いに物議を醸しています。
クルド人との泥沼合戦になっていくのか、総選挙で状況は変わるのか。
停滞気味だったトルコ経済への悪影響も懸念されます。
いずれにしても、トルコ人クルド人ともに、無駄に血が流されることだけは避けてほしいと願います。
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