第一次世界大戦での敗北により、オスマン・トルコ帝国は国家分断の危機にさらされました。列強に分割占領されんとする国土を守るため、ケマル・アタチュルク率いる抵抗運動政権が祖国解放戦争(または救国戦争)を起こし、1919年から1922年まで、アナトリア東部・南部・西武で戦いが繰り広げられました。
そして、1922年8月30日、ドゥムルプナルの戦いでギリシャ軍を打ち破り、これがトルコ独立の決定的な勝利となりました。そのため、8月30日は『戦勝記念日』として祝日となり、毎年トルコ全土がお祝いムードに包まれます。
以下、NTVのニュースサイトから、式典の様子を翻訳・転載します。
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第93回目となる今年も、トルコの各地で催されたイベントで盛り上がりました。
最初の式典はアンカラのアタチュルク廟で催されました。
式典にはレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領をはじめ、トルコ大国民議会議長イスメット・ユルマズ氏、アフメット・ダウトオール首相、憲法裁判所長ズフトゥ・アルスラン氏、フルシ・アカル参謀総長、CHP党首ケマル・クルチダルオール氏、ヌマン・クルトゥルムシュ副首相、ヤルチュン・アクドアン副首相などが参列。アタチュルク廟のアスランル・ヨル(獅子の道)での行進で開始しました。
エルドアン大統領は談話の中で、テロとの戦いのメッセージを発しました。
「大勝利から93年目を迎えた今日、我々に託された共和国を末永くいつまでも残すため力の限り努力し続けます。
アナトリアを永久に我が国として守り抜く戦いは、今もなお続いています。我が国の存亡を揺るがさんとする内外のいかなる力も、我が国の独立と未来に影を落とすことはできないでしょう。アナトリアが敵の侵略から救われ、新国家が設立される過程で戦った戦士たちに今一度神のご加護がありますように。」
アタチュルク廟での式典に続き、エルドアン大統領は「総指揮官」としてベシュテペの大統領宮殿での祝賀を受け入れました。
式典の最後はイスタンブールのアタチュルク文化センターで締めくくられました。
会場にオープンカーで到着したエルドアン大統領は、国歌斉唱の後、8月30日の式典では初めて、市民に向かってスピーチを行いました。
「今年、93年目を迎えたこの大勝利の喜びを我々に味わわせてくれたトルコ軍の総司令官ムスタファ・ケマル・アタチュルクと救国戦争を率いた議会の全てのメンバーを、今改めて敬意をもって偲びたいと思います。
マラズギルトの戦いから今日まで、この大地を我々に祖国として残すために戦った、このために犠牲となって散って行った、戦士の誇りを守った全ての兵士たち、全ての我々の祖先たちに感謝し、冥福を祈ります。アナトリアの大地に足を踏み入れて以降、7つの気候、3つの大陸を治めてもなお我々の心のふるさとであり力の源であり続けたのは、いつでもこの大地でした。バルカン諸国、北アフリカ、中東を失った時の最後の砦もまたアナトリアとトラキヤの大地でした。
1000年もの間、この大地で数々の勝利を治め、裏切者の野望を打ち砕いたわが国民は、今日直面している困難をも乗り越える力と能力を備えています。我々はそれゆえに、『ひとつの国家、ひとつの国旗、ひとつの国民、ひとつの政府』と言っているのです。トルコ国軍は、昨日も今日も陸・空・海で過去から未来に続く独立の戦いを最も保証するものです。改めて、ムスタファ・ケマルをはじめ、全ての戦士たちに感謝と敬意を込め、ご冥福をお祈りします。8月30日戦勝記念日、おめでとうございます。」
式典には大統領府の親衛隊も参加しました。国産戦車ALTAYも参加したパレードでは、やはり国産ヘリコプターであるATAKと訓練機ヒュルクシュも航空ショーを行いました。式典の最後を締めくくるトルコ空軍のアクロバティックチームであるターキッシュ・スターズによる航空ショーは息をのむ迫力でした。
写真:http://www.sabah.com.tr/gundem/2015/08/30/turk-yildizlarinin-gosteri-ucusu-nefes-kesti
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トルコの人々とビジネス上お付き合いをする上で、彼らの祖国への思いを知っておくことは決して無駄ではないと思います。戦勝記念日は、10月29日の建国記念日と同じく、トルコ人にとっては大切な祝日です。こういった日にグリーティング・メッセージを送るのも、信頼関係を築くための一歩かもしれません。
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