全世界に爆発的に広がって、世界的に社会現象となっている『ポケモンGO』。
日本でも若者を中心に大ブームとなり、道行く多くの人々が『ポケモンGO』に興じているという、なんとも不思議な光景はここ一か月のホットな話題となっています。
このブーム、もちろんトルコでも社会現象となっています。
7月中旬、ポケモン・ブームの加熱について、トルコの各メディアが次々に報じていました。
その内のひとつをご紹介します。
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『ポケモンの熱狂、ますます大きく』 7月12日付 Haber Vaktim
90年代の伝説的アニメであるポケモンの携帯端末用初のゲームの登場で、トルコのユーザーがポケモン・ゲットのために街中に溢れている。若者はこうして仮想世界の奴隷と化している。
http://www.habervaktim.com/haber/476728/pokemon-cilginligi-gittikce-buyuyor.html
短期間で最も人気のゲームとなったポケモンを携帯にダウンロードしポケモンのキャラクター捕獲に繰り出す人の数は、日に日に増えている。
トルコでここ最近、非常に多くの若者が、ポケモンのキャラクターを捕まえるためだけに外に出るようになっている。もはやモスクの庭からショッピングセンターやビーチまで、どこもかしこもポケモンを捕まえるために手に携帯を持って歩く若者で溢れかえっている。
この状況もまた、若者がバーチャルな世界に生きていること、それどころかその世界に溺れていることを改めて示していると言えよう。
お祈りに来るよう呼んでも来ないモスクにも、ポケモン・ゲットのためなら来る
こうした何千もの若者の一人である、とある大学生が、この中毒性について次のように話している。
「ゲームが出たと聞いてすごく興奮したよ。ポケモンGOをすぐにダウンロードしようとしたけど、トルコでまだ解禁していなかったから、オーストラリアのアカウントでダウンロードしたんだ。ポケモンGOをまる5日間ずっと立ち上げっぱなしでプレーしてるよ。ポケモンがいないか、1分に一回はチェックしてるね。バイトの時も、普段はバスで帰宅するけど、今はポケモンを捕まえるために歩いて帰宅してるよ。こないだなんかポケモン見つけるためだけに外出したからね。シシリ・モスクに行ってポケモンを探したよ。今レベル8。友達とグループでゲットしに行こうって考えてるところだよ。僕に言わせれば役に立つゲームだと思うよ。みんなが外に出るのを促進してるんだからね。」
中毒の末に
インターネットの書き込みの中には、ゲームのせいで逮捕されたという書き込みもあった。ポケモン・ゲットのためにシシリ警察署少年院本部に侵入してプレー中、警官が自分を撮影したと思い込み逮捕した、という。
(後略)
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現地ニュース映像の街頭インタビューでは、
「モスクには(ポケモンが)たくさんいる」
「国会とか軍の参謀本部にたくさんいる、仕事しながらゲットしてるんじゃない?」
などと話している市民もあり、実際そういった宗教施設や一般の立ち入り禁止区域への侵入・プレーも問題となっています。
宗教局からも「モスクでポケモンを捕獲するのはやめるように」との声明が出されるなど、ユーザー側のモラルが問われています。
一方、好意的に支援する動きも。
エスキシェヒル県のテペバシュ市立青少年センターは、公式Twitterアカウントで次のように呼び掛けています。
「十分な人数のトレーナーが集まるなら、より簡単にポケモンが捕まえられるよう、当方で<お香>を提供します。」
※<お香>のアイテムを使用すると、その近くに30分間ポケモンをおびき寄せます。
他にも、当青少年センターは、ポケモン探し中に施設の近くを訪れた人にはチャイや水を提供しているとのこと。
ただし、そういった好意的な対応に甘えすぎるユーザーも中にはいるようです。
プレー中はどうしても充電の減りが早くなってしまいますが、あるアンカラの若者は
「アンカラ市長が公園に充電ステーションを作ってくれたらよい」
「充電が可能になれば夜までプレーするよ」
などと話しています。
(http://www.haberturk.com/ekonomi/teknoloji/haber/1265930-eskisehir-ve-ankara-pokemon-arayisinda)
外出を促したり人とのコミュニケーション・ツールになるのは良いですが、一方で、人とのコミュニケーションには他者への尊重や礼儀が前提になっていることを忘れてはいけないですよね。
モスクの中にはポケモンだけでなく、真剣にお祈りをしている人たちもたくさんいて、そういった現実の光景にも目を向けてほしいです。
つい先日、日本では初めての『ポケモンGO』プレーによる交通事故死も出たばかり。
プレーヤーのみなさんには、ぜひ節度を保ってゲームを楽しんで頂きたいと思います。
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