2015年3月27日金曜日

トルコ産青果物の輸入展開



201535日付け食品産業新聞に、『トルコ産グレープフルーツ~初の専用船による対日輸出』というタイトルの記事が出ていました。以下転載します。

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トルコ産柑橘類輸出促進事務局は、トルコ産グレープフルーツが、今回初めて、専用船により日本向けに輸出される―と発表した。


対日輸出企業は、地中海柑橘類輸出組合に所属するトルコ有数の柑橘類輸出会社、オズレルタルム食品会社(Ozler Tarim)。柑橘類の他、サクランボ、リンゴ、ザクロ等を栽培し、新品種開発施設を有する企業。


同社によると、「当社は、解禁された5年前より対日輸出している唯一のトルコ企業。この間コールドトリートメント、パッケージ、品質、輸送機関等が課題となり、日本への専用船での輸出により、期間短縮(約50日だった輸送機関を3週間前後に)することで、多くの課題を解決しようと考えた。産地でも、土壌改良、パッキングの変更、コールドトリートメント時のシステム等を検討してきた。この成果を日本のバイヤーに確認頂いた結果、ユニオンが専用船をチャーターし、初めて直接日本向けに出荷することになった。13年に解禁されたレモンも積み込まれ、日本初の輸入となる。品質、(糖度、酸)、大きさ、形、表面のきれいさ、価格等最適の状態で輸出できたので日本市場の役に立って欲しい」としている。

専用船は、トルコ・メルシン港を214日に出発、関西37日、関東10日入港予定。グレープフルーツ15万c/s、レモン15000/s。グレープフルーツの輸入は米国産が約70%を占めるが、今期の米国産の品質問題、価格の高騰が背景にあり、今回トルコ産が評価されれば、来期以降期待が持てる。

輸入元は、ユニオン(小寺一史営業第一部長、☎078-392-4930
 
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トルコ地中海沿岸の生産物として輸出強化品目となっている柑橘類。
 
日本では、チチュウカイミバエの寄生植物であるという理由から、トルコからの柑橘類の生果実は原則として輸入禁止対象となっていますが、平成22年に農林水産省告示第1317号において「農林水産大臣が定める基準」としてチチュウカイミバエを確実に殺虫できると判断できる一定の消毒措置等(低温処理条件)が定められ、この基準に適合するものに限り輸入禁止の対象外となりました。
 
 
トルコ経財省で設立された『極東向け青果輸出開発委員会』の尽力により、トルコ産グレープフルーツは2010年、レモンは2013年に日本への輸入が解禁されました。
 
レモンは今回が初輸入となりますが、グレープフルーツに関してはこれまでに日本への出荷は実現しております。しかし、シンガポールなど経由することで温度管理が徹底されないなどの事情により、商品の品質が保証されないなどの問題が発生していました。
 
今回の専用船による出荷が実現したことにより、今後より安定した品質が保証されることとなります。
 
 
2013年のデータによると、現在日本のグレープフルーツの輸入先としては米国がダントツでトップ、次いで南アフリカ、イスラエル、4位にトルコが食い込んでいますが、レモンに関しては現状米国とチリが輸入量のほとんどを占めています。
 
収穫年により生産量や品質に差が出るリスクがある農産物に関しては、供給元を分散し安定供給を維持する必要があり、そういった中で品質としても一定条件を満たし価格も米国産より2割程度安いとされるトルコ産レモンに、今後の期待が寄せられています。
 
極東向け青果輸出開発委員会委員長ケマル・カチマズ氏が2014年2月19日付け記事でIHA(イフラス通信社)の記者に語ったところによると、
 
「日本は品目ごとに輸入許可を出すため、それに准ずる形で進めてきた。最初はグレープフルーツ、二つ目にレモンに許可が下り、三つ目の品目としてチェリーを打ち出している。チェリーに関しても既に交渉は最終段階に入っており、間もなく許可が出るだろう。」
 
としています。
 
さらに別の青果物に関しても取り組みを継続していく、とも語っており、また日本に留まらず、中国など別の極東地域への輸出に対しても意欲を見せています。
 
さらなる展開に期待します。
 
 

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