2015年11月13日金曜日

トルコ、アンタルヤでG20開催

<トルコとの貿易・輸出入、トルコ投資、トルコ進出を考える日本の企業様へ>
11月15-16日、トルコの南西部にあるリゾート地アンタルヤで、G20が開催される。
これを、『危機地域のど真ん中でのG20開催』と題したコラムが11月13日付Radikal紙に掲載されており、なるほどと思ったので、翻訳・転載する。

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『トルコ、G20を危機的地域で開催』 13/11/2015 by Murat YETKIN

G20サミットで世界の指導者を迎え入れるにあたり、一方で4つの外交政策の方程式を、それぞれ互いに関係し合うものとして同時に、即ち「同時進行で」解決しなくてはならない。もちろん、痛ましいクルド問題のことも忘れてはならない。この件も、そもそもシリア、イラク、イランと切り離されてはいないのだ。

トルコは、世界の産業国と新興経済国が一堂に会すG20を、11月15-16日にアンタルヤで、様々な危機に見舞われている諸地域のど真ん中で開催する。

実際に地図を開いて、コンパスの支点をアンタルヤに置き、半径1000kmの円を描いてみてほしい。円で囲った地域で、世界の非常に重要な危機が存在することが分かるだろう。

北にウクライナ、南にエジプト、イスラエル-パレスチナ紛争、西にはコソボ、東にはアゼリー-アルメニア紛争、その最中にギリシャで続く経済危機、キプロスでは終わりの見えない対立、そしてもちろん、イラクとシリアの内戦を包括している円である。

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おそらく、それゆえに、トルコG20がタイイプ・エルドアン大統領が行うオープニングディナーでの議論のテーマをシリア危機として提案することに、さしたる異議も出なかったのだろう。

外務大臣フェリドゥン・シニルリオールがロシアの外務大臣セルゲイ・ラブロフに個人的に電話をかけてアンタルヤでの会談を求めたのは、これと関係している。

なぜなら、ロシア連邦大統領ウラジミール・プーチンは、G20で政治危機の議論が国連安全保障理事会における拒否権を弱めるという考えから、これまでサミットに外務大臣と一緒に行くことがなかったからだ。

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しかし、ついに昨日、アメリカ大統領バラク・オバマがアンタルヤ・サミットで他のリーダーたちとシリアについて重要な会談を行うと明らかにしてから、シリア問題はアンタルヤ・サミットにおいて、おそらくサミットのそもそものテーマである経済的包括性よりも前面に出る可能性が出てきた。

サミットの前日にウィーンにて外務大臣レベルでのシリア問題会談(アメリカ、ロシア、サウジアラビアと並んでトルコが中核的な4か国の一つとして参加)が持たれることは、ロシアも異議を軟化させたことを示している。

そもそも世界人口の3人に2人、世界貿易の80%、世界GDPの85%を代表するリーダーたちがシリア内戦にこれほど近い距離にいる時に、話し合わないことの方が奇妙である。

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地域における危機が地球規模の政治と、引いては経済に影響する時に、トルコはそのとばっちりを過剰に受け、必要以上に危機の一部に陥ってしまった。

G20サミットで世界のリーダーたちを迎え入れる際、一方で4つの外交政策方程式を、それぞれ互いに関係し合うものとして同時に、すなわち「同時進行で」解決しなくてはならない。もちろん、痛ましいクルド問題を忘れてはならない。この件も、そもそもシリア、イラク、イランから切り離されていないのだ。

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アフメト・ダウトオール政権が同時に取り組み、展開させなければならないこの4つの方程式とは下記の通りである。

1- シリア内戦がもたらした諸問題。もはやこれらの中でISISのテロ組織が最重要課題に浮上している。(ISISに対する包括的空爆の準備が進められているとの報がある)

2- シリア内戦が生んだ難民問題がEUで最大の政治的問題となっていること、またEUがこの件でトルコの協力を必要としていること。

3- トルコが、シリア難民危機がもたらしたチャンスでEUとの関係活性化の方向に進むこと。

4- そして最終的に、トルコ-EU関係の発展に立ちふさがるキプロス問題の解決のため、国連監視の元で進められる話し合い。

状況は非常に込み入っていて、トルコ一国の態度いかんで解決できないほどに裾野を広げてしまったようである。

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従って、G20アンタルヤ・サミットでのシリア問題において-もちろん奇跡的な解決ではないにせよ-何らかの進展が生まれることは、トルコだけでなく、関わる全ての国家の内情をある程度緩和し、緊張を少しでも和らげてくれることだろう。

しかしいずれにしても、完全に経済的な目的で設立されたG20がこれほど真剣に政治的な問題を-トルコの提案により-議論することは、G20の将来における政治的影響に関して新たな考えが提示される可能性も出てくるだろう。

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アンタルヤといえばトルコのリゾート地というイメージが先行していたので、危機を抱える地域の真ん中に位置しているというのは斬新な発想だった。それほど、トルコが今世界を揺るがす諸問題の中心に位置し、鍵を握る国であることがよく分かる。
各問題の解決に向けてどのような役割を果たすことができるかで、今後のトルコの世界的な位置付けが決まってくるのだろう。この混乱に巻き込まれて泥沼化することだけは避けてほしい。

G20の行方を注視したい。


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