2015年1月7日水曜日

2015大雪の新年


年末から続く強い寒波の影響で、今トルコ全土が雪に覆われています。



 

【中近東】の枠に括られることの多いトルコで「雪」と聞いて、驚かれることがしばしばあります。
夏の間は確かに強い日差しに照らされているイメージの強いトルコですが、しかし冬ともなると、温暖な地中海側を除いて、実はかなりの降雪量です。

それもそのはず、そもそもイスタンブールの緯度は青森県とほぼ同じ。また国土全体で平均的に標高が高く、内陸部や東部の山間部などは雪に閉ざされてしまうエリアも多いのです。
ちなみに、201312月も大寒波に見舞われ、トルコ南東部の村で道端のロバが凍りついた状態で発見され、村人に救助されたなんてニュースもありました(20131212Radikal紙 http://www.radikal.com.tr/turkiye/siverekte_esekler_buz_tuttu-1165888)。

 

今回、年明け早々の大雪で、イスタンブールなど大都市含め全国で停電が起こっており、暗闇の中で新年を迎えた人も多かったようです。

5日には新たにシベリア、バルカン双方から流れてきた寒気団によりさらに積雪が重なり、通常雪が降ることがあまりないようなエーゲ海地域の一部までもが雪景色に。イズミールでは珍しい雪景色を市民が喜び、車から降りて雪合戦するなどの光景が見られた、とのほほえましいニュースも(2015年1月6日付Bugun http://www.bugun.com.tr/izmirliler-gune-kar-yagisiyla-uyandi-haberi/1424312)。
 
 
しかしそんなのどかな光景はほんの一部。トルコ全土を見渡してみれば、多くの幹線道路が雪により閉鎖、空の便・海の便などの交通機関も一部運休、地域によってはライフラインがストップしたままの状態のところも。もちろん、ほとんどの学校が休校。トルコ北西部ブルサ近郊の街イネギョルでは、年末から5日間停電したままという状態に耐えられなくなった住人達のグループが、送電会社の建物前で抗議デモを行う(2015年1月4Cumhuriyet紙 http://www.cumhuriyet.com.tr/haber/turkiye/177849/Elektrik_kesintisi_yurttasi_canindan_bezdirdi.html)といった騒ぎもありました。

 
私がイスタンブールに滞在していたのはもう10年以上前になりますが、当時も大雪で停電というのは日常茶飯事でした。
住んでいたのがベースメントの部屋だったため、夕方の停電で突如として室内は真っ暗闇に。携帯の明かりを頼りに辿り着いたガス暖房機の前で、青くゆらめく小さな炎を見つめるばかりで何もすることができず業を煮やした私は、せめて新聞でも読みたいと思い立ち、意を決してアパートの外へ踏み出しました。近所のホテルのカフェなら非常灯があるだろうと思い、横殴りに吹雪く雪の中一心に歩を進めると、各家の窓越しにロウソクの灯りがぼんやりと映し出されておりまして、それはそれでとても幻想的な眺めだったのを覚えています。

もちろん、イスタンブールという大都市の中心部だからまだそんな呑気なことが思えたわけで…地域によっては生死にも関わる非常事態。

あれから約10年が経ち、トルコは経済発展目覚ましい新興国として生まれ変わりつつあるようですが、インフラにはまだ課題が残されている模様です。

 

ライフラインが断たれた状態のエリア、孤立した集落など、一刻も早く事態が改善されることを願います。

 

<参考資料>




 

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