完成すれば世界最大規模となる『イスタンブール第三空港』の着工式が6月7日に行われました。
2018年末に完成予定の第三空港は、最終的には年間1億5000万人の旅客キャパシティーを有し、建設には102億4700万ユーロの費用が見込まれています。BOT方式で建設される予定で、ジェンギズ・コリン・リマク・カルヨン・マパの5社から成る共同事業グループが落札。建設に要する鉄鋼は35万トン、アルミニウム素材は1万トン、ガラスは415,000平米にも及ぶというこの壮大なプロジェクトは、4つの段階を経て完成に至る予定。
・トータル面積7650万平米(内屋内施設は147万1千平米)
・165の旅客用の橋
・4つのターミナルビル(ターミナル間移動はレールシステムで繋がれる)
・4つのターミナルビル(ターミナル間移動はレールシステムで繋がれる)
・3つのテクニカルブロックと航空管制塔
・8つの管制塔
・あらゆる種類の飛行機に対応する6つの独立した滑走路
・16のタクシー用道路
・500機収容できるキャパシティーを持つ、トータル6500万平米のエプロン
・VIPラウンジ
・貨物及び一般航空ターミナル
・政府ゲストハウス
・約7万の車両を収容できる屋外・屋内駐車場
・航空医療センター
・ホテル
・消防ステーション
・礼拝所
・コンベンションセンター
・発電所
・浄水・ゴミ処理施設
などなど。
などなど。
着工式でエルドアン首相は、
「今日はイスタンブールだけではなく、トルコにとって歴史的瞬間である。6大陸で、全世界で最大の空港が本日ここで建設が始まろうとしている。一個人として、この歴史的瞬間を目撃できる幸運をかみしめている。トルコ共和国は建国以来今日まで偉大な数多くのプロジェクトを目撃してきたが、今回のプロジェクトはそれらとは大いに異なる。規模、キャパシティー、重要性において、共和国史上最大のプロジェクトの一つだ。この規模はわが国民に、そして我が国に似つかわしい。単なる空港ではなく、街の建設に等しい。街に必要と思われるものは全て内包する。大きさだけでなく、緑地、社会インフラなど含め、世界で最も近代的な空港が、トルコに、そして全世界にもたらされることになるだろう。東西南北の最も重要な中心地として、トルコの貿易はより活性化し、経済も上昇するだろう。」
と話しました。
…と、鳴り物入りで華々しい着工式の一方で、第三空港建設による環境破壊への懸念も指摘されています。
空港建設予定地の中にはアルナヴットキョイ北部森林など、針葉樹・広葉樹・多様な雑木林を含む広大な森林地帯が含まれており、緑地帯の喪失に留まらず、生態系の破壊、渡り鳥の進路とのバッティングなど、様々な影響が環境保全の視点から心配されており、一部では建設反対運動も起こっているようです。
これらの懸念に対し、環境と都市開発大臣イドリス・ギュッリュジェ氏は、同プロジェクトがあくまで公共利益に則すものであることを強調しつつ、「プロジェクトで伐採される木の数は現時点では不明であり、正確な数字はプロジェクト完遂後に明らかになる。伐採される本数の5倍の木が植樹される予定である。」と話しています。
今日、「真に近代的」であるためには、環境への配慮は前提条件です。
ゲジ公園の騒動以来、イスタンブールの緑地問題は多くの市民が気にかけていることのように思われます。
近代化トルコの象徴となるであろう第三空港には大いに期待したいところですが、「共和国史上最大のプロジェクト」が強引な手法で進められることで国内に軋轢が生じることのないよう願っています。
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