今回、FOODEXで担当した会社はオリーブ製品を扱うNATURALE GIDA、なかでも『SELETEPE』というブランドのエクストラ・バージン・オリーブオイルを皆さんにご紹介しました。
今回、同社ブースを担当するにあたって、事前に調べてみたり、担当者からブリーフィングをしてもらうことで、オリーブオイルの奥深い世界を少しばかり覗くことができました。
オリーブの実から搾油しただけの、未精製で酸度が2%以下のものを、総じて「バージンオイル」といいます。中でもとりわけ酸度が低く、0.8%以下のものを、特に「エクストラ・バージンオイル」と呼びます。この基準はIOOC(国際オリーブオイル協会)により規定されています。(ただし、オリーブオイル生産者によると、「これはあくまで科学的な数値に過ぎず、味や香りに何ら影響しない」のだそうです。)
他に「ピュア・オリーブオイル」や単に「オリーブオイル」と記載されているものは、脱臭・脱色された精製オリーブオイルにバージンオイルをブレンドしたものです。
地中海性気候のトルコは、オリーブの生産には非常に適しております。
特に、SELETEPEのオリーブ園があるエーゲ海沿いのアイワルクは、「トルコのトスカーナ」と呼ばれるほどの名産地なのだそう。こちらのブランドはオリーブオイルには珍しいシングル・モルトで、そのフルーティーな味わいはQV EXTRAという高品質なエクストラ・バージン・オリーブオイルの国際認定団体に認められたほど。
SELETEPEに限らず、トルコのオリーブオイルは品質もよく比較的安価で、現在トルコの海外輸出強化品目の上位に入っている重要分野です。
実際、トルコの朝ごはんでオリーブの実は欠かせませんし、サラダでも何でもとにかくオリーブオイルをかけまくる…という印象。
だったのですが。
クライアントに実際のトルコにおけるオリーブオイルの消費動向を聞いてみたところ、実はトルコはEU各国に比べて最もオリーブオイルの消費が少ないのだそうです。大体一人頭で年間1.5L程度とのこと。あんなに何でもオリーブオイルかけてるのに!?と驚きました。
もちろん、オリーブオイルは大変好まれます。が、いかんせん他のオイルに比べると高価。
特に昨年は世界的にオリーブの収穫高が低く、価格が高騰したそうです。
貧富の差が大きなトルコでは、低所得者層の家庭ではより安価なひまわり油やヘーゼルナッツ油が消費されているし、レストランなどでも「オリーブオイル」と謳いながら実は安価な油を混ぜていたりすることも多々あるのだそう。また、マーガリンの出現もオリーブオイル離れの原因になっている、とも話していました。
SELETEPEのオーナーはそのような状況を憂い、
「より健康に良く、高品質なオリーブオイルの味を広めたい」と熱っぽく語っておりました。
ご家庭では一人頭年間30kgはオリーブオイルを消費していると言うSELETEPEオーナーご夫妻のこのスレンダーな体型が、オリーブオイルの健康への有効性を雄弁に物語っているように思うのです…。
ところで…オリーブオイルは実はかなりワインに「似て」います。
ブドウの果汁をいつでも飲めるように保存加工したものがワインであるならば、オリーブの果汁を年間通して利用できるよう加工したのがオリーブオイル。
同じ品種でも栽培する土地の土壌や気候で大きく味が変わるところも同じ。
また、テイスティングの仕方も、プロのやり方はとても良く似ています。
小さなグラスに注いだオイルを手で蓋をして手の中で少し温めて香りを立ててから味わう。
オリーブオイルの場合、色味に左右されないよう色付きのグラスを用いるのがより本格的。
どちらもトルコという土地が古代から受け継いでいる、先人たちの知恵の結晶です。
まだお試しになっていない方は、ぜひ一度、トルコのオリーブオイルを味わってみてください。
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