トルコからは、今年は昨年を上回る33社の企業が参加しました。
今回私はトルコのエクストラ・バージン・オリーブオイルを生産・販売する会社のブースで、4日間通訳としてお手伝いをしました。
オリーブオイルひとつ取っても、様々なお客様・様々なニーズがあるものと、大変勉強になりました。
中でも今回最も興味深かったのが、『ハラール認証』に関する問い合わせです。
中でも今回最も興味深かったのが、『ハラール認証』に関する問い合わせです。
FOODEX第一日目、パキスタン人のお客様から
「このオリーブオイルはハラールか?」
と尋ねられました。
念のため、ここで「ハラール食品」について今一度確認しておきます。
ハラール(HALAL)とは;
イスラム法で許された項目をいう。主にイスラム法上で食べられる物のことを表す。(ウィキペディアより)
食品に関しては、酒など中毒性のあるものは当然禁忌(ハラーム)ですが、特に区別を求められるのは普通食肉です。豚が禁忌(ハラーム)であることはもちろん、餌の内容にハラールに違反するものが入っていない、また屠畜の方法など細かい規定があり、一般に「お祈りしてある肉かどうか」が判断基準とされます。また、ショートニングやゼラチンなど、豚由来の成分が含まれたお菓子も禁忌(ハラーム)であり、イスラム教国では受容されません。
最近は日本でもサービス業側の「ハラール」に対する認識が広まってきたのか、食品やレストランなどでの「ハラール」表記が増えてきている気がします。
さて、しかし。
今回お問い合わせがあったのは、純度100%のエクストラ・バージン・オリーブオイルです。一から十まで植物性で、ハラール/ハラームとは全く無関係の食品分野。
尋ねられたクライアントも「???」とさっぱり訳が分からない顔。
「オリーブオイルですから、もちろんハラールに決まっておりますが…?」
と答えても、どうも会話がかみ合わない。
おかしなことを聞く人がいるものだ、と首をかしげて終わった第一日。
二日目、今度は韓国人のお客様から
「このオリーブオイルはハラールか?」
と同じ質問を受けて、これは一体どういうことかと、近所のブースのトルコ人たちと話題になりました。
しかし誰もが、
「植物にハラールもへったくれもあるものか」
「収穫の時に祈りながら収穫する必要でもあるのか?」
など、結局最終的な結論は出ませんでした。
そして三日目。
今度は日本人のプレスの方から
「このオリーブオイルはハラールですか?」
と尋ねられるに至り、ついに私は意を決して、今回数名のお客様から同様のご質問を受けているが、完全植物性の食品におけるハラールとはどういう意味か尋ね返してみました。
すると、
「実は、ちょうど先ほどハラール食品に関するセミナーを聞いてきまして…」
と、ざっくりしたことを教えて下さいました。
要は、イスラム圏で生産・販売・消費されるものは当然ハラールなので逐一「ハラール」と明記する必要はないけれども、国外に輸出されると、その食品がどういった環境で製造されているか消費者には見えてこない。ゆえに、消費者が安心して手に取れるための『ハラール認証』への需要が急上昇している、ということでした。従って、改めて製品に関してお祈りしたりする必要があるわけではなく、単純に「認証」を出してもらえば良いだけのことなので、トルコ企業はTSE(トルコ規格協会)に申請すれば良いのだそう。
ただ、今現在、ハラール認証は国ごとに設定されており、国際規格がないということが状況をより複雑にしている模様です。SMIIC(イスラム協力機構)で統一の認証制度を設けることが目下の課題となっているのだそうです。
実は、昨年のFOODEXでハラールに関するお問い合わせが全体的に非常に多かったらしく、ハラール・フードは今年のFOODEXの最重要テーマの一つでもあった模様。
ただ、今現在、ハラール認証は国ごとに設定されており、国際規格がないということが状況をより複雑にしている模様です。SMIIC(イスラム協力機構)で統一の認証制度を設けることが目下の課題となっているのだそうです。
実は、昨年のFOODEXでハラールに関するお問い合わせが全体的に非常に多かったらしく、ハラール・フードは今年のFOODEXの最重要テーマの一つでもあった模様。
非イスラム圏に暮らすムスリムにとって、≪食の安心≫を確保することがかくも重要な問題であること、またその需要がますます膨らんできている現在の社会情勢について、今更ながらに考えさせられた『ハラールの謎』でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿