トルコの2013年7~9月期の成長率が4.4%と発表があった。トルコ統計局によると市場予測の4.1%増を上回った。中間層の拡大による個人消費の伸びが、前年同期比5.1%と増え、民間投資も1年半ぶりのプラスとなり5.3%増となった。成長を引っ張ったのは、8.7%増の「建設」と5.5%増の「小売・卸売業」。チャーラヤン経済相は2013年通年の成長率は「4%近く」になるとの見通しを示した。
2023年建国100周年に向け多分野において野心的な目標を掲げるトルコとの貿易投資を加速するカゴメはこの10日に、加工用トマトの種子販売を手掛ける関連会社、タット種苗を子会社化したと発表。報道によれば、「約13億円で株式を追加取得して出資比率を29%から80%に高め、アフリカやアジアの土壌や気候に適したトマトの品種開発を強化する」という。
トルコ進出3年が経つ味の素は、この11月にバルサミコ酢メーカーのキュクレ社の株式50%取得を発表したばかり。日清食品ホールディングもすでにトルコ進出を果たし、昨年の10月にはトルコの食品大手ユルドゥズ・ホールディングと折半出資の合弁会社を設立、海外初となるストレート麺タイプの販売をすでにスタートしている。日本の食品メーカーのトルコ進出が最近目立つ。トルコを起点に周辺地域への展開を目論んでのことと思われる。(下の写真は味の素とキュクレ社提携の記者発表。東洋経済オンラインより。)
さて、話しを戻して、カゴメのトルコ進出である。
タット種苗は1987年にカゴメの他に、カネコ種苗10%、住友商事10%、51%をトルコの食品会社の出資による合弁として設立。今回、カゴメがトルコ側から株式を買い取った。タット種苗12月期は約8億4000万円の売上高を見込んでいる。
2,000億円弱の売上高を誇るカゴメであるが、主力の野菜飲料「野菜生活」は季節限定品などが好調だが、トマトジュースの落ち込みや乳酸菌飲料など懸念材料はあるようだ。
来期からは決算期を12月期に変更して、海外子会社と決算期をそろえ予算管理や事業運営の効率化を図る方針で、将来の適用が検討されている国際会計基準(IFRS)に対応する考えである。
カゴメはトルコ進出以外でも、この9月に米国種苗会社の買収を発表するなどトマトの「品種開発」に力を入れている。カゴメにとっては調達先の分散を図ることで買い負けを防ぐことも大事だ。カゴメといえば、創業時から培ってきた「種まき」の思想が有名だ。次の号でその点についても触れたい。
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