2014年9月16日火曜日

5分でわかるトルコ投資 その5

その5: 安定した政治・経済と宗教

トルコは政治と経済の安定性が高く評価されています。トルコ進出やトルコへの投資を考える日本企業にとって大事な点です。

政治面での今年の動きは、331日に地方選挙が行われ、与党AK党の得票率は45.5%でした。これは2009年の地方選挙の38.8%を大きく上回る数字です。イスタンブール、アンカラの両市長も与党候補が勝利しました。810日には大統領選挙が行われ、エルドアン首相が当選し、ダウトオール外相を首相に据えて長期政権への道筋を立てました。大統領はこれまで間接選挙により選出されていましたが、2012年の法改正により直接選挙となり、任期5年、再選可能となりました。

来年2015615日は550名の一院制国会議員を選出する総選挙が行われます。現状、AK党が327議席、最大野党のCHP135議席、第二野党のMHP53議席、独立系議員が35議席となっています。得票率10%以上の党のみが議席を確保できることになります。

エルドアン氏がこれまで貢献したトルコ経済に向けた取組みと発展、所得格差の是正に成果をあげた実績に対する国民の評価は一定したものがあり、強い支持が見て取れます。イスタンブール等の大都市では夜でも通りは明るく、賑わいがあり、特段の危険がないことが実感できます。

以下に示すのは、2002-2012年の層別(10%ごと)の所得倍増率の表です。所得格差が縮まっていることは政治の安定に繋がり、消費の拡大も見込まれることを示唆します。



あと、二つ程、政治面での変化・動きを紹介します。

トルコ教育省によると、政府支出に占める教育関連費用の割合が、2002年当時が9.4%であったのに比べ、2014年には18%にまで伸びています。2013年までの10年間に約20万室の新規の教室が建設され、41万人の教師を新規採用しています。

次に、医療改革プログラムについてですが、エルドアン内閣成立以降(2003年)、医療に関する問題点を踏まえ、10年計画で医療改革プログラムが制定されました。
Healthcare Transformation Programと呼ばれるものです。その結果、国民皆保険、公的保険制度の一元化、救急サービスの無料化 (2003)、公的保険で民間病院へのアクセス可能
(2004)、プライマリケアの無料化 (2007等が実現されました。平均寿命も2003年当時71.8歳であったのが、2009年には75.0歳と飛躍的に延びました。


トルコでは国の方針として世俗主義、つまり、政治と宗教はわけて考えます。1923年以降、トルコの工場などではお祈りをしないことが珍しくなりました。イスタンブールや各都市では、アルコール類を欧州の諸都市と同じように楽しむことができます。トルコへの進出、トルコとの貿易投資を考える日本人、日本企業にとってはトルコは「過ごし易い国」でありながら、イスラム圏の市場に進出する拠点としても適した国であると評価できます。

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